システムエンジニア一筋14年のPMは、なぜ安定を捨てたのか。成長を求め飛び込んだ、セキュリティ教育という領域
INTRODUCTION
大学院で工学を専攻後、2009年にNTTコミュニケーションズ株式会社(現NTTドコモビジネス株式会社)へ入社。以来14年間にわたり、システムエンジニア、プロジェクトマネージャー(PM)として大規模案件に従事。2024年より株式会社エヌ・エフ・ラボラトリーズ(以下、NFLabs.)へ移り、オフェンシブセキュリティの講師業務や研修運営事務局、セキュリティCoE事務局の一員として研修生の育成やサポートを担当。※本記事で紹介している業務内容は、2026年3月時点のものです。
巨大構造物を作る研究室から、ITの世界へ。NTTコミュニケーションズ株式会社(現NTTドコモビジネス株式会社)でシステムエンジニア、そしてPMとして14年間、顧客の課題解決に奔走してきた沖本さん。順風満帆なキャリアの裏で感じていたのは、自身の「成長の鈍化」に対する危機感でした。
安定を捨て、セキュリティという未知の領域へ。沖本さんがNFLabs.で新たな挑戦を始めた理由、そしてそこで見出した仕事のやりがいについて、詳しくお話を伺いました。
成長が止まる恐怖。安定を捨てて未知の領域へ
―はじめに、沖本さんのキャリアの原点についてお聞かせください。PMとして長く活躍されるまで、どのような道を歩んでこられたのでしょうか?
大学院では、船やダムといった巨大構造物を作る学問を専攻していました。キャリアの原点となったのは、研究室で初めてプログラミングに触れた経験です。何もないところから動くものを自分の手で作り出す面白さに、すっかり目覚めてしまいました。
就職活動を始めた頃は、IT業界を志望していたもののまだ自分がやりたい事が明確ではありませんでした。だからこそ、「多様な経験ができる環境で自分を試したい」と考えたんです。「海外事業」や「インターネットビジネス」といった幅広く事業をやっているNTTコミュニケーションズ(現NTTドコモビジネス)に惹かれ、「ここなら何でもやれそうだ」と、第一志望として入社を決めました。
入社後のキャリアの大半は、ネットワークやサーバーのSI事業です。PMやプロジェクトリーダー(PL)として、常にお客様の「何とかならないか」という要望に応えるため、社内外のメンバーと交渉・調整を重ねる日々でしたね。この時に培った泥臭い折衝経験が、今の自分の基礎になっていると感じます。
―14年間のキャリアを築いたNTTコミュニケーションズを離れ、NFLabs.へ。その決断の背景には何があったのでしょうか?
年次が上がるにつれ、現場の最前線に立つ時間よりも、チーム内のアドバイザー的な役割が増えていきました。もちろん重要な仕事ですが、自分自身の成長が止まっているような、言いようのない物足りなさを感じていて。「もう飽きたな」というのが、当時の正直な気持ちでした。一時は転職を考えたほどです。
そんな時、先にNFLabs.に異動していた同期から誘いをもらったんです。正直に言うと、セキュリティ分野そのものへの強いこだわりがあったわけではありません。それよりも、「もっと手を動かし、新しいことに挑戦したい」という気持ちが、私を突き動かしました。声をかけてくれた仲間の存在も、未知の領域へ飛び込む決意を後押ししてくれましたね。
もともと、難易度の高いプロジェクトを仲間と苦労しながら乗り越えていく中で、自分が成長していると実感するのが好きなんです。14年間も自分を育ててくれたSI事業に対して感謝の気持ちでいっぱいでしたが、これからも成長を続けるためには今が新しいことを始めるときだ!、そう思って新しい挑戦を選びました。

"技術だけ"じゃなく、人の成長を支える仕事。
―NFLabs.では、SIer時代の経験が全く異なる形で活きているそうですね。現在の主な業務について教えてください。
現在は「長期研修の運営事務局」と「セキュリティCoE事務局」という2つの事務局を担当しています。「長期研修の運営事務局」は9か月間に渡る長期のBootUP研修/高度技術研修(ATT)で起こる様々な課題を解決するための事務局です。これだけの長い期間に100名規模の研修生を受け入れると毎日色んな課題が出てきますので、講師たちと一緒になって乗り越えていくようなお仕事です。もう1つの「セキュリティCoE事務局」の業務は対外的なやり取りが多く、研修生の送り元組織との調整や大学・高専といった外部教育機関との協業を進める仕事をしています。
どちらの業務も立場やバックグラウンドが異なる様々な人と協力することが不可欠なので、かつてのPM経験がそのまま活きていると感じます。例えば、研修のカリキュラムにはチーム開発があるのですが、そこで起きる問題は、技術的な課題以上に人間関係の悩みが多いんです。「チーム内で発言できない人がいる」「特定の人に負荷が集中して疲弊している」といった課題に対し、研修生が毎日提出する日報から彼らの生の声を拾い上げ、講師たちと一緒に解決に導きます。
技術を教えるだけでなく、研修生のメンタルケアやチーム内の調整といった側面から彼らの成長を支えることも私たちの重要な役割です。
リモートでも会話が尽きない。本質を問う文化が心地よい

―ご自身の挑戦を後押ししてくれた、NFLabs.のカルチャーや環境についてはいかがですか?
まず、自分の信念を持ち、「なぜこれをやるのか」という本質を常に問うエンジニアが多いですね。ただ言われたことをこなすのではなく、意図や意義を全員で理解し、納得して初めて前に進む。この文化が、私には非常に心地よいです。
リモート主体にもかかわらず、コミュニケーションが驚くほど活発なのも特徴です。Slackでのチャットはもちろん、ハドルでは常に誰かが喋っていて、風通しが本当に良い。
コンパクトな組織だからこそ、大企業にありがちな壁を感じることもありません。専門性と情熱を持ったメンバーと、一体感を持ってプロジェクトを推進できる。この会社に来て、「仕事が面白い」と心から思えています。
―最後に、今後の目標とキャリアに悩む方へのメッセージをお願いします。
NFLabs.では、必ずしもセキュリティの専門知識だけが求められるわけではありません。PMやバックオフィスで人の悩みに向き合ってきた経験のような、一見畑違いに見えるヒューマンスキルが、実は大きな強みになります。新しいことを学ぶ意欲さえあれば、何歳からでも挑戦できる環境です。
学生の皆さんには、現時点でのスキルよりも「成長したい」という情熱を大切にしてほしいです。NFLabs.には国内外のイベント登壇や出張講義など、挑戦のフィールドは無限に広がっています。失うものはないのですから、ぜひ臆せず飛び込んできてください。
私自身、これからもNFLabs.が持つプロダクトや研修の魅力を、自分の言葉で社内外に発信していきたいと思っています。そのためにも、表面的な言葉でなく、中身のある言葉で語れる人間であり続けたい。学びを止めず、自分自身がスキルアップし続ける。それが今の私の目標です。
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